脳卒中は生活習慣病(高血圧症・糖尿病・脂質異常症)、心房細動などの心臓の病気、睡眠時無呼吸、頸動脈狭窄症、動脈硬化、血管の病気、その他さまざまな原因で生じます。例えば、高血圧症や脂質異常症などの生活習慣病は脳卒中と違って自覚症状がございません。それぞれ専門家の先生のお考えもあることを承知しています。しかし、樋󠄀口内科医院扇町は、脳卒中を予防することを目標とし治療する医院として開院致しました。
最近は睡眠時無呼吸症候群の認知度が高まりつつあります。睡眠時無呼吸は脳卒中だけでなく頭痛のリスクファクターでもあります。パートナーや友人に「寝ている時にいびきがうるさい、呼吸が止まっている」など指摘されたかた、「頭痛や日中の眠気が気になる」かたは是非当院で睡眠時無呼吸症候群の検査を受けて下さい。簡単で苦痛の少ない検査ですので気になる方は当院へ受診頂きたいと思います。
また、心臓の動悸を感じる方は心房細動の可能性がございます。当院で24時間ホルター心電図検査を受けて頂きたいと思います。当院は心房細動をいち早く察知するために、診察室にて簡単に検査できる機械を備えています。24時間ホルター心電図にはかないませんが、症状に合わせて利用致します。
私は脳卒中を生じる患者様は心臓疾患を合併していることが多く、脳神経内科医ではあるのですが、心房細動に限らず、慢性心不全や弁膜症など心臓疾患の診療も得意としています。
無症候性脳梗塞とは目立った症状がないがMRI/CT検査で発見された脳梗塞のことを言い、隠れ脳梗塞とも呼ばれます。また、同じように、微小脳出血は目立った症状がないがMRI(T2*強調画像)検査で発見された小さな脳出血のことを言います。
無症候性脳梗塞も微小脳出血も、次に運動麻痺などを伴う本格的な脳梗塞や脳出血を生じるうる危険なサインであり、血管性認知症などの障害が残る可能性もあります。微小脳出血は、アルツハイマー型認知症をはじめとした認知症との関連も報告されています。そういう観点からも、この2つの病気を見つけることは脳卒中予防において大切です。
無症候性脳梗塞や微小脳出血は、厳密には目立った症状がないのですが、何かしらの症状でお悩みの患者様が多いように思います。例えば、頭痛、手足のちょっとしたしびれ、回転性・浮動性めまいの症状、頭や耳がぼーっとするという曖昧な症状、目がかすむ、見えづらいといった視覚に関する症状など、軽微な症状を自覚し、脳卒中と直接関係が無さそうに思われる症状を訴えられるように思います。
「脳卒中が心配です」「脳卒中予防をお願いします」といって受診される患者様について、診察と検査を行い、適切に治療や指導を行うこと、これは当院の目標の一つです。
しかし、今までの経験からしますと、めまい症状など、何かしらの症状を持っておられて、確認のためにMRI/CT検査をしましたところ、脳梗塞や脳出血(無症候性脳梗塞、微小脳出血を含む)を認め適切な治療に繋がった経験が少なからずございます。
誤解を生じないために申し添えますが、症状があるからと言って、やみくもにMRI/CT検査することを勧めることは致しません。
樋󠄀口内科医院では、脳神経内科専門医が神経学的診察(軽微な異常所見がないか診察することです。)を行い、症状に応じて当院で可能な検査*¹を行い、そのうえで頭部MRI/CT検査が必要かどうか判断致します。ご心配な症状がございましたら、当院を受診して下さればと思います。
*¹当院で可能な検査:電気眼振図検査(めまいの検査)、頸動脈エコー検査、ABI/PWV検査(動脈硬化を調べる検査)、24時間ホルター心電図検査、睡眠時無呼吸症候群の検査、認知機能検査、その他通常検査として採血検査・尿検査・心電図検査・レントゲン検査・腹部エコー検査などになります。
当院にはMRI/CT検査装置がございません。柏崎市内の病院(新潟病院・柏崎厚生病院・柏崎総合医療センター)で、検査を受けて頂きます。詳しくは医院にてご説明いたしますが、上記病院と連携することで、患者様の手間ができる限り少なく済むように配慮致しております。
例えば、日時や受けたい病院の希望を伺い、患者様に代わり、樋󠄀口内科医院が予約致します。具体的には、樋󠄀口内科医院と先述の3病院はMRI/CT検査などの共同利用について契約を致しております。患者様のご事情などを踏まえ、いつ頃、どの病院で、どういった検査を受けて頂くのがよいか、医師がアドバイスした上で、患者様にお選び頂きます。日時の予約については樋󠄀口内科医院が患者様の代理で行います。患者様は、ご希望された検査予約日時に、ご希望された病院で、MRI/CT検査などを受けて頂きます。その際、病院医師の診察を受けることはありません。結果説明やお会計も検査を受けた病院ではなく、樋󠄀口内科医院で行います。当院でMRI/CT検査は行いませんが、病院へご移動頂き受けて頂きますが、患者様には出来る限り手間がかからない様に配慮して参ります。
当院は新潟病院と連携し、地域の患者様に貢献出来る新たな取り組みを始めました。「NHO新潟病院・病診連携用電子カルテ参照システム(案)」を行います。MRI/CTの共同利用の円滑利用にも繋がるのですが、新潟病院の電子カルテを樋󠄀口内科医院からでも参照できます。このため、樋󠄀口内科医院に居ながらにして、新潟病院で受けた診療内容やMRI/CTをはじめとする検査結果を参照することができます。(注意:履歴の年度が古い場合や、履歴が多すぎる場合は、全履歴を検索することは不可能なこともあります。)また、個人情報の漏洩に関し厳重を期するためにも、新潟病院への通院歴や検査歴のある患者様、これから(共同利用で)検査を受けようとする患者様に必ず同意書を得ることで閲覧可能になるシステムであり、反対に途中で同意を解約したいと申し出がありましたら閲覧出来なくなるシステムでもございますのでご安心してご利用頂けると思います。このシステム利用の金額につきましては当院が補償致しますので無料でご利用頂けます。樋󠄀口内科医院と新潟病院を、患者様のご事情に合わせて、患者様の手間が出来る限り少なく済み、円滑に利用できることで新たな枠組みを作り、地域医療に貢献したいと考えております。どうぞご利用下さい。